サン号が公開保育園のため土曜日なのに登園です。

朝から雨が降ったりやんだり。

いつもなら車で送るのですが、旦那が冬にちょっとした資格を取るための講習会に車で行ってしまったために自転車か徒歩か。


グダグダ迷っているうちに本格的に降ってきて、んじゃ歩くかぁ…(´Д｀)と諦めてカッパ着せたり長靴出したりしてたら「せんせいがね、はちじごじゅっぷんにきてねって」………は？

只今、8時42分ですよ？

車５分、自転車６分、徒歩20分なのに？
サン号の足ぢや25分だよ？

ちーこーくー!!o(T△T=T△T)o
※ある意味安定通常行動。


がああああああっ!!
と猛烈に走り角を２つ曲がったら…やんだ？晴れてきた!?
そして日が差してきた!?

えーー(T△T)もどる？
戻って自転車？


あ？また少し降ってきた？
やっぱり歩こ!いや走ろっ!!


え？カッパ暑い？


脱げ脱いじゃえ!!
走れ!!

はーしーれぇぇぇい!!


と…園に近づいたら、まだ皆さん歩いたり自転車だったり車止めたり……あれ？8時50分過ぎてるよ？



ははぁん…先生、通常のんびり登園のウチに10分早い時間を伝えて遅刻しないようにしたんじゃない？



「仙台時間」をわかっておる!若いのになかなかやりおるわい!!←何様?


しかし、雨対策だけしっかりした格好なので、ギラギラ太陽が出てきた帰り道はまさに苦行……。
日焼け止め塗ってないから湿疹でちゃう!!(T△T)
長靴蒸れ蒸れ!!

白眼で舌打ち連続(-""-;)


途中、大きな木の木陰で一休みして、風が心地よい～って涼んでたら…。


急に突風が吹いて!!


木の葉に付いてた滴がどざーっと落ちてきまして……(´Д｀)


ずぶ濡れに……。






うん。

もう。

いい。





現実逃避するし。







あてもない武者修行中の侍が突然の雨に逐われて一里塚の杉の大木に逃げ込んだ。

すでにじっとり重い着物の袖と袴を詮ないながらも絞り、元からその色なのか汚れて黒いのか判らぬ手拭いで大事そうに三本の刀の鞘を拭いた。

と、すぐ脇に先客の男が居るのに気が付いた。

一瞬視線があったがなんとなく間を取り木の反対側に数歩移動する。

なかなか止まない雨を見上げていると腹の虫が盛大に長々鳴く。

と、ぷ。くくっ。くはっ！あはは!!と木の陰から笑い声が。

曲がって見ると男が腹を抱えて笑っている。

おいおい！なんだその腹の虫は！すげぇなぁ！と目尻の涙を拭き拭きたずねるので、三日ろくに食ってねぇと応えると男はゆっくりとした仕草で懐から熊笹の葉に包まれた握り飯を差し出した。思わず唾を飲み込み両手に受け取る。

改めて男を見るとくいっと無精髭の顎を突きだし、食えよ。と合図した。

侍はリュウノヒゲの結び目をほどくのももどかしく葉の脇から握り飯を取り出し一つ目を二口で飲み込み二つ目にかじりついたところで…うめぇ…とぼそりと呟いた。

そんな侍に満足そうな笑みで竹筒を差し出す男。

手を空ける為に残りを口に放りこみペコリと小さく頭を下げ竹筒を受け取る。

封を犬歯で抜き、ひんやり冷たい水を流しこむ。

握り飯の塩分のせいだろうかただの水であろうにほのかに甘い。

三つ目最後の握り飯を今度はゆっくり咀嚼して味わう。

全てたいらげてしまってから一息ついたところで雨がすっかりやんでいることに気が付いた。

お。やんだな。と男が杉の梢の隙間から空を見上げている。

その喉元の白さに侍はまた唾を飲み込む。

馳走になった！旨かった！悪ぃが銭はねぇ！と男に向かって勢い良く合掌すると、男はまなこを丸くしてそれからにんまり笑った。

銭なんざいらねぇよ。と男は竹筒を懐に仕舞い、流れるような仕草で袖から煙管を出して火をつけ、口角から煙を細く吐いた。

じゃあな。と男は塚からヒラリと下りた。

おい！侍は慌てて、名前だけでも聞いておくのが礼儀と声をかけた。

くるりと男が振り向いた。雲の切れ間から差し込んだ日の光に男の錦糸の髪が眩しく輝く。

とたんに風が強く吹き、杉の葉が蓄えていた雨水が一斉に侍に降り落ちてきた。

雨宿り前より増してしとどに濡れた侍を再びまなこを丸くして見ていた男はぷ。くくっ。くはっ！あはは!!と笑い、奇妙な形の眉を下げたかと思うと、世話の焼ける御仁だ。とにんまり笑って無精髭の顎をくいっと突きだし、ついて来いと合図した。

すると今度は優しい風が吹いた。

風は男の着物の襟下を翻し、衽の裏地を見せた。

侍はその裏地に青い紫陽花を見た。

まるで男のまなこの色を映したような美しい紫陽花であった。






モウソウヲジニスルッテホントニタイヘンナコトダネ……ブンシサママジリスペクト!!・・・バタッ！！(ヘンジガナイタダノシカバネノヨウダ)